副園長の子育て応援通信

「発表会で育つ非認知能力」

子どもたちの生き生きとした表現、楽しそうに演じる姿はとても素敵でしたね。私がひじりらしくて素敵だなと思ったのは、何かのアクシデントや想定外のことが起きても、その場で子どもが自分たちなりに考えて動く姿。担任の先生はピアノの前にいるから、劇を進めるのは自分たち。そんな中で、素敵なやり取りをたくさん見ることが出来ました。
劇の途中で、マットに戻るのを忘れて真ん中で立ちすくんでいる子に気付いて、迎えに行ってあげ、しかもそっと体に手を添えて連れてきてあげたり・・・大勢のお客さんを前にして緊張してせりふがなかなか言えない子の手を繋いで一緒に小さな声で言ってあげたり・・・自分たちでタイミングよく大道具を出し入れしたり・・・出番を忘れている子に声をかけたり・・・裏方の先生たちが出す大道具の場所を細かく「もう少し前に出して」「すぐ引いて」と指示し てくれたり・・・友達のお面が取れかかっているのに気づいて「直して」と近くにいる先生に教えてくれたり・・・。
生き生きとした発表の中に、そんな頼もしい姿も合わさって、たくさんの育ちを見ることが出来ました。
根気よく劇を作り上げていく力・役になりきって表現する力・道具を工夫して作る力・友達とタイミングを合わせて出ていく力・アクシデントに対応する想像力と判断力と行動力。
今、子どもたちに一番育ってほしい非認知能力が、発表会までのいろんな営みの中で育っているのを感じます。担任たちが、子どもたちにどうしたいのか聞きながら話し合いながら進めてきたことが、様々な形で子どもたちの育ちとなって表れたことも嬉しく思いました。
発表会中に、舞台の上の子どもの姿と観客席の保護者の方の表情をつい交互に見てしまう事があります。子どもの生き生きとした表情と、それを見ている保護者の方の笑顔や涙を見ると、喜びと感動が伝わってきて、そんな保護者の方の姿にも涙が出そうになります。
「表現」って受け取り手の肯定的なまなざしがあってこそ、出せるものなのだということを改めて感じました。温かく見守って下さり、ありがとうございました。