副園長の子育て応援通信

「育ち」

発表会が終わり、子どもたちの育った姿が年度末らしい姿だなあと感じさせてくれます。

 

発表会の直前には、なんとゆり組がインフルエンザの学級閉鎖になり、子どもたちも担任も、充分な練習ができないまま発表会の本番を迎えることになりました。

二日前にやっと集まったゆり組の子たちの顔には、「おはよう」と同時に「やっと登園できた!!。とにかく劇を仕上げなきゃ!!」の気持ちが表情ににじみ出ていました。自分たちが作ってきた劇をなんとかこの二日で仕上げたい。お家の人に観てもらえる様につなげたいという思いが練習風景からも伝わってきました。

 

「焦っても仕方がない」と言ってた担任が実は一番焦ってるけど、子どもの力を信じるしかないと自分に言い聞かせていたのでしょうね。二日間はいつになく気迫のこもった練習風景だったようですが。そして土曜日を挟んで本番の日曜日。(当日は早めに登園してくださってありがとうございます。)

また、(練習時間が足りなかったという事情を知ってるから)見守ってくださる保護者の方の視線が暖かくて優しくて・・・。

そして劇が始まりました。一人一人しっかりセリフが言えるのに、微妙に間が空きます。(次はだれのセリフ?)(今誰が出ていくんだっけ・・・)、(道具がない!)不安げな表情で顔を見合わせる子どもたち。友達の顔を祈る様に見つめる子、呼吸を合わせて合図を送る子、こっそりセリフを教えてあげる子、声を出さず身ぶり手ぶりで伝える子、小さな声で確認する子・・・。そしてなんとかつないでいく。

こんなピンチだからこそ、子どもたちでどうしたらいいのかを考えて、しかも気づかれないように気配りをしている・・・。そんな緊張した余白の時間の子どもたちの表情や姿が、素晴らしかったですね。

 

11月のお店屋さんの時もそうでした。その場その場をで起きるアクシデントを自分たちで考えて乗り越えていく姿がステキでした。責任感も育っているからでしょうが、やれるはずという自信や自己肯定感が育っているからこその姿でしたね。小学校に行ってもピンチを乗り越えていく力がちゃんと育っていることを感じました。

卒園まであと1ヶ月。子どもの心はもう次へ向いているのでしょうね。寂しいのは私たち大人だけかもしれませんね。