副園長の子育て応援通信

「答えは子どもの中に」

6月に入り、15クラスのクラス懇談が終わりました。お母様同士の話し合いの中で悩んでいることの答えが見つかったり、おもしろいアドバイスをもらって笑ったり・・・楽しそうなお母様方を見て、私もママ友にたくさん助けてもらったのを思い出しました。育児書に書いてあることより、先輩ママの体験談の方が生々しくて参考になったりしますよね。
子育ては正解が見つかりにくいものです。場合によってはなかったりして・・・。いろいろ試しているうちに解決したりします。困ったことがあると、どうしようか子どもの様子をよく見ますよね。どうやって関わろうか考えたりしますよね。それは「答えは子どもの中にある」からです。私たちの保育も計画を立てるときに、まず、一番大切なのはその時の子どもの育とうとしていることは何かを見ます。そこに合わせて計画を立てていかないと大人の都合保育になってしまうからです。
ところが母と子は一心同体の近い存在。近すぎるからこそ、子どものいいところもよくないところも見えなくなることがあります。そして冷静に関わっていられなくなったりすることもあるでしょう。何年か前に、あるお母さんから「家で毎日毎日こどもたちが兄弟げんかをするので、それを止めたり解決することに疲れきってしまいました。」という相談がありました。兄弟姉妹は遠慮なく思いをぶつけ合うことのできる相手ですから、自分たちで円満解決するのを待っていてもなかなかけんかは止まらない。最後は下の子が泣いて上の子を叱る・・・といったことが多かったり・・・。そして上の子を叱ってしまった自分 を反省したり・・・。ほんと疲れちゃいますよね。
以前、園庭でサッカーをしていた年長組の子どもたちがなにやら7.8人集まってもめていました。「まだはじまってへんやろ」といきなりゴールを入れられたチームが、いつ始まったのかわからないうちに点を入れられたことを怒っています。点を入れたチームは「「いくぞ」って言ってからキックオフした」。「聞こえなかった」。「言った」。「ずるい」。「もんくいうな」・・・。の言い合いをしていました。どうするかなと思ってしばらく見ていたら、A君が「みんなが試合が始まったってわかってなかったらサッカーにならへんやろ。最初からやりなおそ。」とボールを真ん中に持っていきました。そしてみんなはそれにつられて最初から試合開始となりました。その言い出したA君はまさしく「毎日兄弟げんか」で悩んでいたお母さんのお子さんだったのです。毎日小学生のお兄ちゃんと兄弟げんかをしながら、どうやったらうまく関係性を作れるかを考えてきたのでしょうね。
子どもは毎日が生きていくことの練習。子どもが育とうとしていることを肯定的にとらえることは難しいときもありますが、少し離れると見えてくる。けんかがいいとは言いませんが、人間関係の練習しているんだと思えば、「しばらくいいか」と思えたりしますよね。あまりにエキサイトしてきたら、途中でジュースを入れてクールダウンさせたり、両成敗して反省させたり・・・。でもきっと子どもは育ってますよ。